資金決済法の情報

資金決済法の規則の枠組みを把握し、理解することで新たなビジネスチャンスが生まれる!

日本仮想通貨交換業協会が発足

金融庁に登録済みの仮想通貨取引所16社が、新団体「日本仮想通貨交換業協会」を立ち上げました。 政府が資金決済法に基づき認定する自主規制団体を目指し、自主ルールの整備を急ぐようです。

この一般社団法人日本仮想通貨交換業協会は、3月29日に設立されたのですが、参加企業は、これまでに仮想通貨取引所などを運営する16社が資金決済法に基づく仮想通貨交換業者として登録されているのですが、その全てとなっています。

業界団体として仮想通貨の取り扱いに関する各種ルールを整備し、金融庁から自主規制団体として認定されることを目指すようで、会長にはマネーパートナーズ代表取締役社長の奥山泰全氏、副会長としてbitFlyer代表取締役の加納裕三氏およびビットバンク代表取締役社長の廣末紀之氏が就任。

また理事として、以上の3氏に加えSBIバーチャル・カレンシーズ代表取締役執行役員社長 北尾吉孝氏とGMOコイン代表取締役社長 石村富隆氏が選任されています。

これまで仮想通貨では、様々な問題を抱えていて、事業者への立ち入り検査や行政処分が相次ぎ、登録を受けないまま事業を続けていた「みなし事業者」が撤退するなども出ています。

仮想通貨には、マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策のための本人確認の強化、さらにはサイバーセキュリティ対策や相場操縦・インサイダー取引などに対する自主規制も求められています。

新しい技術なので問題は山積みで、当面は、最低限必要なルールを大急ぎで整備し、業界各社でルールを遵守する実態を作り、それを金融庁が認めて自主規制団体として認定される必要があります。

日本仮想通貨交換業協会メンバー

コインチェックに立ち入り

仮想通貨取引所「コインチェック」から580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正流出した問題で、金融庁は資金決済法に基づく立ち入り検査を実施する方針を固めたのだそうです。

顧客から預かる資金の管理や安全システムが十分だったかを確認するのだそうで、金融庁仮想通貨取引所へ立ち入り検査を行うのは今回が初めてのこととなります。 f:id:creditofactor:20180202111515j:plainインチェック側では、流出したNEMを預けていた全顧客約26万人に対し、流出発覚後の価格下落を反映した総額約460億円を自社の現預金で返金する方針を示していますが、一体どうなるのでしょうね。

現在は、原因を調査しており、何者かがコインチェックのメインウォレットに不正アクセスし、保管していた顧客のNEMを盗み出したのではないかと思われているようで、犯人の追跡が続けられているとともに、善意のハッカーNEM財団が共同となり、交換所で換金できないよう、盗まれたNEMを区別するための印をつける作業を続けているのだとか。

実際のところ、仮想通貨の技術的なシステムには問題はなくても、取引の安全性や犯罪に利用される可能性に関する問題は存在していますから、これからも十分に注意する必要があります。

前払式支払手段の要件

資金決済法における前払式支払手段の定義は以下のようになっています。

  1. 金額等の財産的価値が記載・記録されること(価値の保存)

  2. 金額・数量に応ずる対価を得て発行される証票等、番号、記号その他のものであること(対価の授受+支払手段の発行)

  3. 代価の弁済等に使用されること(権利行使)

1番については、支払手段として使用されるものである以上、カード、ICチップやサーバなどに金額が記載、または記録されることが必要であり、2番については、それ相応の対価を支払って優勝で得たものが前払式支払手段であり、無償で発行されたものについては、この定義に該当しません。

3番については、あくまで商品やサービスの対価の弁済に使用されるものだけを対象とするということで、当該証票を使用しなくても得られる商品やサービスは、規制の対象となりません。

具体的言えば、テレフォンカードや図書カードなどのプリペイドカード、商品券や電子マネーがこれに当ります。

それでは、巷では氾濫している「ポイント」は前払式支払手段に該当するのでしょうか??

これはなかなか難しい問題で、通常であれば前払式支払手段に該当しないと考えられています。

まぁ、これについては様々な意見があるので、資金決済法ではしっかりとした規制はされませんでしたが、その発行にあたって消費者が対価を負担しているかどうかポイントとなっており、対価性がある場合は、前払式支払手段としての取扱いを受けると解釈されています。

現在、私たちの暮らしには「ポイント」が溢れかえっていますが、法律においては、なかなか基準をつけにくいものなんですよね。