資金決済法の情報

資金決済法の規則の枠組みを把握し、理解することで新たなビジネスチャンスが生まれる!

立ち入り検査中間とりまとめ

8月10日(金)に金融庁が「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリングの中間とりまとめ」を公表しましたね。

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これにより仮想通貨交換業者が抱える問題やリスク等が総括されたのですが、正式な登録業者や登録制の導入前から事業を展開していたみなし業者の75%が役職員20人未満と小規模事業者となっているようで、80~100人規模は3%しかなかった一方、預かり資産は、100億~1千億円の業者が19%、10億~100億円と1億~10億円がともに13%などとなっていて、1千億円以上の業者も9%あり、小所帯で多額の預かり資産を管理している実態が浮き彫りとなりました。

また新規の登録を希望する事業者に対し、書面で確認を行うだけではなく、役員ヒアリングや実地調査も強化するとしており、新規登録業者となった場合は、登録後早い段階で立ち入り検査を実施する方針のようです。

金融庁によれば、現在でも百数十社が審査を待っているということですから、厳格な審査ともなるとその合否は長引きそうですね。

ポイントサービスに関する資金決済法

美容関連のポータルサイトを運営する事業者が、その取引先企業(化粧品メーカー)に対し当該サイト内の広告掲載用として発行するポイントの一部を、今般、新たに取引先企業から、利用者向けのポイントとして、アンケートへの回答等を行った利用者に対して無償で発行できるポイントサービス事業を検討しているところ、利用者に対して発行される当該「ポイント」が、資金決済法第三条に規定する「前払式支払手段」に該当するか否か照会があり、関係省庁が検討を行った結果、照会の事業においては、利用者に対して発行されるポイントは、対価を得て発行されるものではないことから「前払式支払手段」には該当せず、発行保証金の供託等の義務が課されないことが明らかとなったそうです。

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これにより、ポイントサービス事業への参入障壁が低くなり、新規参入が活発となって、これまでにない新たなポイントサービスが創出されることが期待されます。

産業競争力強化法に基づく「グレーゾーン解消制度」は、事業に対する規制の適用の有無を事業者が照会することができる制度で、事業者が新事業活動を行うに先立ち、あらかじめ規制の適用の有無について、政府に照会し、事業所管大臣から規制所管大臣への確認を経て、規制の適用の有無について回答するものです(本件の場合、事業所管大臣は経済産業大臣、規制所管大臣は内閣総理大臣となります)。

グレーゾーン解消制度

グレーゾーン解消制度とは、事業者が、現行の規制の適用の有無及び範囲が不明確な場合においても安心して新事業の展開ができるよう、具体的な事業計画に即して、あらかじめ規制の適用の有無を事業者が行うビジネスを所管する省庁の大臣を経由して、問題となっている規制を所管する省庁の大臣に確認できる制度。

このグレーゾーン解消制度は平成26年1月に産業競争力強化法に基づき創設され、同時にスタートした企業実証特例制度と併せ、事業者の新規事業への参入を後押しする施策の両輪をなすものとして期待される制度です。

改正資金決済法から金商法へ移行検討

金融庁が仮想通貨交換業者を規制する法律を現在の改正資金決済法から金融商品取引法に移行する検討に入っているようですね。

改正資金決済法は交換業者を登録制にすることなどを定めているのですが、交換業者の経営が悪化した場合に顧客の資産を保護する仕組みなどが不十分となっていて、今後は規制を証券会社などに適用される金商法に基づいた内容にすることによって、利用者保護の強化につなげたいようです。

現在、仮想通貨は改正資金決済法により電子マネーなどと同じ決済手段として位置づけられているのですが、金商法による規制対象となれば、今後は金融商品として扱われることになります。

仮想通貨には、まだまだ問題も多く解決しなければならないことが盛りだくさんなうえ、最近の仮想通貨市場は低迷してきていますから、ここでしっかりと曖昧さを払拭したいものですね。

そもそも金融庁が金商法への移行を検討するのは、今年1月に交換業者コインチェックから約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出し、顧客資産保護のあり方が問題となったのがきっかけとなっているのですが、金商法への移行については、金融庁内で「仮想通貨にお墨付きを与えたと誤解を招く」との慎重論も根強いようで、別の交換業者による顧客資産の私的流用などの問題も発覚し、対応強化の必要性が高まっているところです。

もし仮想通貨が金商法の適用対象になれば、今後、仮想通貨は金融商品として扱われるようになり、証券会社などに対し、顧客の資金や株式などの有価証券を会社資産と分けて分別管理することが義務づけられますから、不正なインサイダー取引を禁じるなど、投資家保護の仕組みを整備されるうえ、最大の利点として、市場が透明化、健全な業界発展が見込めるようになります。

また、金融庁も監督しやすくなりますし、一般利用者も守られるようになっていくのではないでしょうかね。