テックビューロが暗号資産の交換業を廃業
暗号資産交換サイト「Zaif(ザイフ)」を運営していたテックビューロが、暗号資産の交換業の廃業を決めたと発表し、11月末まで返金請求を受け付け、残務処理を終えた後で交換業を廃止するのだそうです。
金融庁によれば、改正資金決済法に基づく交換業者の廃業は初めてとなるのだそうです。
2018年9月に約70億円相当の暗号資産が不正アクセスにより流出し、金融庁から繰り返し業務改善命令を受けており、2018年11月に交換事業を情報サービス会社フィスコ傘下企業に譲渡したのですが、譲渡完了後も一部のユーザーから同意を得られず、顧客資産が同社に残っており、こうしたユーザーには残金を日本円で返金する方針となっていて、返金手数料はテックビューロが負担するのだそうです。
この返金対応の受付期間は9月2日~11月30日までとなっており、返金完了後、資金決済法上の仮想通貨交換業の登録を返上し、廃業するようです。
セブン・ペイに報告命令
金融庁が株式会社セブン・ペイに対して、資金決済法に基づく報告徴求命令を出したのだそうですね。
これはセブン・ペイが提供している、セブンイレブンの店舗で使えるスマートフォン決済サービス7payの不正アクセス事件に対して、不正利用の原因や再発防止への取り組みなどの報告を求め、内部管理体制に問題がなかったか詳しく調べるのだそうで、金融庁は実態把握を進めた上で改善策を求めるのだそうです。
まぁ、この問題、7月1日から決済サービスを始めたのですが、一部の利用者で身に覚えのない支払いが起きるなど第三者による不正アクセスが発覚し、3日からクレジットカードでの入金を停止し、4日からは店舗やATMでの現金による入金を中止したのですが、そもそも本人確認のための「2段階認証」を導入していないなどのセキュリティーの甘さがあったようで、なんでも内部資料によれば、急な開発と度重なる仕様変更が問題だったのではないかと言われていたりもします。
しかし、大手でこのようなことがあると、日本におけるキャッシュレス化はますます遅れてしまうでしょうね。
そもそも日本人は現金主義ですし、このように不正によって迷惑をかけられるようでは、さらに現金のほうが安全だなんて思ってしまいますもんね。
セブンイレブンはサービスにおいては、ピカイチだと思うのですけど、ITともなるとやっぱりテリトリー外となって、不始末を起こしてしまうのでしょうね。
こと新しいサービスを行うのであれば、しっかりとした検証期間を設けなければなりませんよね。 不安定のまま、サービスを行うなんてリーダーとは思えないような失態ですね。
「暗号資産」に名称変更
改正資金決済法が5月31日、参議院本会議で可決・成立しましたね。
これにより、これまで一般的だった「仮想通貨」という名称は「暗号資産」に変更されるわけで、一般ユーザからすると、なにをわざわざメンドクサイことをなんて思ってしまうのですが、実は、「G20」などの国際会議では、すでに仮想通貨(Virtual Currency)ではなく「暗号資産」(crypto assets)と呼ぶ流れになっていて、行政上の手続きなどで使う呼称もこれに合わせることになっているんですよね。
また、今回の改正においては、顧客資産の保護を目的に規制が強化され、交換業者に対しては、顧客の暗号資産を原則として、コールドウォレット等信頼性の高い方法で管理することが義務付けられます。
コールドウォレットというのは、完全にインターネットとは切り離されたオフライン状態で秘密鍵を管理するウォレット方式で、外部環境とは無縁ですから、送受金時のインターネットに接続する一部の機会を除き、ハッキングされるリスクがなく、セキュリティ面では最も優れている保管方法であるといわれています。
2020年4月から施行予定となっています。