改正資金決済法から金商法へ移行検討
金融庁が仮想通貨交換業者を規制する法律を現在の改正資金決済法から金融商品取引法に移行する検討に入っているようですね。
改正資金決済法は交換業者を登録制にすることなどを定めているのですが、交換業者の経営が悪化した場合に顧客の資産を保護する仕組みなどが不十分となっていて、今後は規制を証券会社などに適用される金商法に基づいた内容にすることによって、利用者保護の強化につなげたいようです。
現在、仮想通貨は改正資金決済法により電子マネーなどと同じ決済手段として位置づけられているのですが、金商法による規制対象となれば、今後は金融商品として扱われることになります。
仮想通貨には、まだまだ問題も多く解決しなければならないことが盛りだくさんなうえ、最近の仮想通貨市場は低迷してきていますから、ここでしっかりと曖昧さを払拭したいものですね。
そもそも金融庁が金商法への移行を検討するのは、今年1月に交換業者コインチェックから約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出し、顧客資産保護のあり方が問題となったのがきっかけとなっているのですが、金商法への移行については、金融庁内で「仮想通貨にお墨付きを与えたと誤解を招く」との慎重論も根強いようで、別の交換業者による顧客資産の私的流用などの問題も発覚し、対応強化の必要性が高まっているところです。
もし仮想通貨が金商法の適用対象になれば、今後、仮想通貨は金融商品として扱われるようになり、証券会社などに対し、顧客の資金や株式などの有価証券を会社資産と分けて分別管理することが義務づけられますから、不正なインサイダー取引を禁じるなど、投資家保護の仕組みを整備されるうえ、最大の利点として、市場が透明化、健全な業界発展が見込めるようになります。
また、金融庁も監督しやすくなりますし、一般利用者も守られるようになっていくのではないでしょうかね。
日本仮想通貨交換業協会が発足
金融庁に登録済みの仮想通貨取引所16社が、新団体「日本仮想通貨交換業協会」を立ち上げました。 政府が資金決済法に基づき認定する自主規制団体を目指し、自主ルールの整備を急ぐようです。
この一般社団法人日本仮想通貨交換業協会は、3月29日に設立されたのですが、参加企業は、これまでに仮想通貨取引所などを運営する16社が資金決済法に基づく仮想通貨交換業者として登録されているのですが、その全てとなっています。
業界団体として仮想通貨の取り扱いに関する各種ルールを整備し、金融庁から自主規制団体として認定されることを目指すようで、会長にはマネーパートナーズ代表取締役社長の奥山泰全氏、副会長としてbitFlyer代表取締役の加納裕三氏およびビットバンク代表取締役社長の廣末紀之氏が就任。
また理事として、以上の3氏に加えSBIバーチャル・カレンシーズ代表取締役執行役員社長 北尾吉孝氏とGMOコイン代表取締役社長 石村富隆氏が選任されています。
これまで仮想通貨では、様々な問題を抱えていて、事業者への立ち入り検査や行政処分が相次ぎ、登録を受けないまま事業を続けていた「みなし事業者」が撤退するなども出ています。
仮想通貨には、マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策のための本人確認の強化、さらにはサイバーセキュリティ対策や相場操縦・インサイダー取引などに対する自主規制も求められています。
新しい技術なので問題は山積みで、当面は、最低限必要なルールを大急ぎで整備し、業界各社でルールを遵守する実態を作り、それを金融庁が認めて自主規制団体として認定される必要があります。
日本仮想通貨交換業協会メンバー
- マネーパートナーズ
- QUOINE
- bitFlyer
- ビットバンク
- SBIバーチャル・カレンシーズ
- GMOコイン
- ビットトレード
- BTCボックス
- ビットポイントジャパン
- DMM Bitcoin
- ビットアルゴ
- Bitgate
- BITOCEAN
- フィスコ仮想通貨取引所
- テックビューロ
- Xtheta
コインチェックに立ち入り
仮想通貨取引所「コインチェック」から580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正流出した問題で、金融庁は資金決済法に基づく立ち入り検査を実施する方針を固めたのだそうです。
顧客から預かる資金の管理や安全システムが十分だったかを確認するのだそうで、金融庁が仮想通貨取引所へ立ち入り検査を行うのは今回が初めてのこととなります。 コインチェック側では、流出したNEMを預けていた全顧客約26万人に対し、流出発覚後の価格下落を反映した総額約460億円を自社の現預金で返金する方針を示していますが、一体どうなるのでしょうね。
現在は、原因を調査しており、何者かがコインチェックのメインウォレットに不正アクセスし、保管していた顧客のNEMを盗み出したのではないかと思われているようで、犯人の追跡が続けられているとともに、善意のハッカーとNEM財団が共同となり、交換所で換金できないよう、盗まれたNEMを区別するための印をつける作業を続けているのだとか。
実際のところ、仮想通貨の技術的なシステムには問題はなくても、取引の安全性や犯罪に利用される可能性に関する問題は存在していますから、これからも十分に注意する必要があります。